音楽を流しながらビール瓶片手に宵に染まった横浜を闊歩する.傍らには色彩鮮やかな毛髪の友人が何処かぼやけた様な眼を向けている.「俺エモい気分なんだ」そう言って得も言われぬエモーショナルスポットを求め彷徨う.歩き慣れた都市に非日常を見つけるその瞬間を待ち遠しく思いながら,ああでも無いこうでも無いと小道に逸れて行く.如何して僕らは何でも無い日常に満足できないのか.そんな事を考えても詮無いから,結局僕らは時空間を浪費して新たな座標へと進まなければ成らない.そんな日常を耐えきる為にも,ゆらり,のらりくらりと徘徊するんだ.